ヒューマンアカデミーのドラフトオーディションを受けた結果、私は3つの声優事務所から預かり所属の待遇で合格しました。
今振り返ると何の価値もない合格だったのですが当時の心中としては、
「これで業界に入り込むことができる!」
「事務所頼りではなく色んなWSに顔を出して自分の足でも仕事を取りに行くぞ!」
なんてことを考えていました。
ゆめたか「ヒューマンアカデミーに通った感想」の続きです。
当時の年齢は30歳、ここから急激に病み始めます笑



ゆめたかさんの声優への道もいよいよ終盤て感じですね。
所属先に選んだ無名の中小声優事務所の特徴
3社の内、1番「所属ビジネス臭」のしない特徴を持っていた事務所を選びました。
- レッスン料が年間20万円以下
- その年に出た所属合格者の人数が自分含めて4名
- 事務所の男性所属者が5名
特徴としてはこんな感じでしたね。
他の2社は20~30人は所属合格を出して、年間30~50万円のレッスン料を支払うことを所属条件に出していました。



さらに他の2社は問い合わせると、HPに載っていない所属者も大量にいるようで典型的な所属ビジネスでしたね。
レッスン
レッスンは週2回ありました。
1つは事務所が運営する養成所レッスン、もう1つは預かり所属者向けのレッスンです。
マイナスなことを連発するので事務所名は名言しませんが、別に特定されても構わないので事細かに書いていきます。
滑舌練習しかしない養成所レッスン
嘘みたいな話ですが、この事務所の養成所レッスンでは1年間、滑舌の練習しかやりません。
(2年制なので2年目からはまた別の事をやるそうですが……)
講師の前で滑舌教本に書かれている文章を読み上げ、講師から「OK」のお言葉を貰えたら次を読みます。
1人辺りの持ち時間が決まっていて時間内に読めるだけ読んで、分厚い教本に書かれている全ての文章に対して講師から「OK」のお言葉を頂くことが1年間のカリキュラムの全てでした。
事務所のタレント育成方針に正解はない為、このカリキュラムの是非を問うつもりはありません。
しかし、他の声優養成所のカリキュラムから大きく外れたことをしているのは間違いないです。
日ナレや俳協ボイスを経験した私から提言すると非常にバランスの悪いカリキュラムです。



自分の出番が終わったあとは他の人の発表をひたすら聞く時間です。
活舌教本にある意味のない文章を2時間以上聞かされる地獄みたいな時間でした。
雰囲気が最悪な所属者向けレッスン
預かり所属者向けレッスンは一般的な養成所レッスンと遜色はありませんでした。
ラジオドラマや外画吹替えを中心としたレッスンでしたね。
問題点があるとすれば雰囲気が最悪だったことです。
新人に興味のない先輩たち
事務所の新しい仲間に対して積極的に交流しようという意思が先輩たちにはありませんでした。
こちらから挨拶をしても「あ~、はい。」といった気の抜けた返事が返ってくるだけで、「それ以上は話しかけて来るなよオーラ」が終始出ていました。
15人前後のクラスの中でグループがいくつかあって、大きく分けて事務所初期メンバーと中期メンバーの2グループがありました。
事務所歴の浅いメンバーは好意的に接してくれたので、私と同期3人はそのグループと仲良くさせて頂きました。



こうやって組織の中で派閥ができていくのですね。



とくに初期メンバーは大御所感をずっと出してきて素行が悪かったね。
(芸歴なんてほとんどない癖に……)
中小声優事務所の闇エピソード
レッスン時間は終電ギリギリまで延長される
書類上はレッスン時間が定められていますが、時間は基本的に守られません。
デフォルトで1~2時間、ひどい時では3時間近く予告なく延長され、帰る電車は終電なことが多かったです。
「こういう泥臭い所が芸能のお稽古なんだよ!」と言われてしまえばそこまでですが、日ナレのようなコンプラのしっかりしている養成機関で学んでいた身としては面食らいました。
とくに私が不満に思っていた点はこの延長の原因は社長のお説教にある点です。
社長は話好きで一度説教が始まると満足するまで止まりません。
すでに核心を話し終えているにも関わらず、脱線と堂々巡りを繰り返し平気で30分近くレッスン時間を消費します。
このお説教がレッスンの要所要所に差し込まれ、レッスンが延長されていくことになります。
そもそものレッスン設計が甘く時間内に終わらない課題選定をしていたり、講師のペース配分がイケていないというのもありましたが……



社長はよく「プロの流儀」を説いていましたが、時間内にキッチリ仕事を終わらせようとしない姿勢はプロなの?て思ってました。
明け方まで行われたボイスサンプル収録


ちなみにHPに載せる為のボイスサンプル収録は23時から翌日8時頃まで行われました。
社長が夜型なのかそもそも23時から始まる時間設計がイケていません……
このサンプル収録でもっとも不満だったことは23~8時の内、7時間近くが社長の説教だったことです。



いや、よくそこまで喋れますね。
逆に関心してきましたよ……



ちなみに専門学校で行われた2次審査では、説教と称して学校が閉まる時間を過ぎても喋り続けてたよ。
ただの日常の愚痴にまで話は脱線していたけど笑
社長の価値観に付いていけず3ヶ月で退所
思想の強い社長がワンマンで会社経営するとこうなるんだなと率直に思いました。
社長のタレント育成の価値観は昭和の芸能界・スポ根からアップデートされておらず、
- 新人はパワハラやシゴキを受けるもの
- 愚直に時間を掛けることが美徳
といった思想が強かった印象です。
この思想の是非を問いませんが、私の感想としては「非常に効率の悪いタレント育成、会社経営」でした。
こういった時代から取り残された熱血社長はいずれ淘汰されていくと思いましたし、あまり好感は持てませんでした。
また一応自分は所属声優であるのに仕事やオーディションの話は全くなかったこと、周りを見ても数年在籍している人でも芸歴ゼロ(あっても自主制作ゲームのボイス等)なんてことがざらだったことから、この劣悪な環境に耐える価値はないと判断し入所3ヶ月で退所を決意しました。
普通に精神的にも体力的にも辛かったというのもありますが……



この頃からアニメのキャスティングやオーディション等、声優の仕事の流れに興味を持ち始めましたね。


おわりに~声優の夢を諦めた私の末路~
以上、「無名の中小声優事務所に所属した感想」でした。
退所を期に私は声優の夢をきっぱり諦めました。
今回の経験で中小声優事務所に行く価値はないとわかりましたが、すでに30歳を超えた自分が今から大手事務所に入所するのは無理ゲーだと区切りをつけたからです。
そこからは「声優になれない人生に何の価値があるのだろうか……」と自問自答する人生最大の病み期に突入します。
うつ病一歩手前というか、診断を受けていなかっただけで軽いうつ病だったと思います。
ちなみに私が所属していた事務所ですが、今年は養成所生が集まらなかったからか養成所は開校されず、代わりに所属オーディションが通年で開催されるようになっていました。所属ビジネスに舵を切りましたね。
この手の事務所は社長の理念・価値観に強く共感する人は所属してもいいと思いますが、あなたが子供の頃に憧れたアニメ・声優の世界に行くことを望むのであればおすすめはできないです。
声優養成機関を選ぶ際にもっとも重要視するべきは、”直近でどれだけ人気声優を輩出しているか”です。
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