日ナレ基礎科での1年は、関連オーディション2次審査にて不合格となり幕を閉じました。
とはいえ、最後の舞台公演の主役に選ばれ、クラスでわずか3人しか通過できなかった1次審査にも合格。
自分なりに確かな手応えを感じた1年でした。
「1年目でここまで行けたなら、2年目こそ所属できる!」
当時の私は、そんな期待を胸に本科の初レッスンを迎えました。
しかし、そこで待っていたのが、日ナレに5年間通った中で唯一「大外れだった」と感じた講師です。
ゆめたか


本科への進級おめでとうございます!
声優を目指した9年間|全8話
第1話 日ナレ|入所試験・基礎科
第2話 日ナレ|本科 ← 今ここ
第3話 日ナレ|研修科
第4話 俳協ボイス
第5話 ヒューマンアカデミー
第6話 無名の中小声優事務所
第7話 AIR AGENCY
最終話 声優の夢を諦める
本科


本科の講師


本科の講師は舞台演出家の方でした。
本科からは舞台演技を中心にお芝居を学んでいくからか舞台関係の方が多い印象です。
もう時効だと思って、はっきり言わせてください。
この本科の講師の方……大外れでした笑
演技指導のスタイルは、丁寧でロジカルだった基礎科の講師とは正反対で、
超感情的な熱血指導!
劇団にありがちな体育会系の悪いノリだけを、煮詰めたような存在でした。



思い通りの芝居をしないと癇癪を起し、最後にはスタジオを出て行ってしまうような人でした。



さすがに熱血がすぎません!?
一応、生徒はその講師の教えを請う劇団員ではなく、日ナレのレッスンにお金を払うお客さんなんですけど……



厳しい指導でも、そこに道筋や理論があるならいいよ。
ただ感情的に怒鳴って、その度にレッスンが中断して、限られた時間が消費されていくことに、ずっと私は腹を立てていたよ!
【補足】日ナレの講師ガチャに外れたらどうするべきか?


年々、コンプライアンスは厳しくなっていますし、日ナレは真っ当な企業です。
この記事で紹介するような、生徒の時間と心をいたずらに消費する講師は、現在はいないと信じたいところです。
しかし、それでも「この講師は外れかも……」と思った時、どうすればいいでしょうか?
私の結論としては、安易にクラスを変えようとせず、まずはその講師に適応するべきだと思っています。
声優としてデビューしたら、もっと理不尽な現場へ身を置くことになるはずです。
クライアントのディレクションが、いつも丁寧で、自分にとって理解しやすいとは限りません。
理不尽な状況でも結果を出す訓練だと思って、講師の指導に粛々と対応することをおすすめします。



一応は、その人なりに誠意を持って教えているわけですしね。
もちろん、セクハラ・パワハラは論外ですが……



それもあるし、日ナレは1年間を通して行われるオーディション!
講師への向き合い方も含めて審査されてるつもりで、立ち回った方がいいと思うな。
クラスの雰囲気


本科は舞台公演が中心のレッスンだったので、生徒同士のモチベーションの差が露骨に表れ、公演準備をめぐるトラブルが絶えませんでした。
- セリフを覚えてこない人
- レッスンをサボる人
- ある日、突然クラスから飛ぶ人
舞台は、相手とのセリフの掛け合いが中心です。
こちらがどれだけ準備をしても、相手がセリフを覚えてこなければ、まともな練習ができません。
やる気のない人と組まされ、共倒れする……なんてこともよくありました。
また、舞台公演の段取り決めや、レッスン前のバミリなど、誰がどこまで準備するのかでもよく揉めました。
とにかくやることが多く、熱心なメンバーだけがレッスン外に集まり、夜遅くまで準備をすることもありました。



レッスン外に集まれる人だけで準備を進めるのは、今の時代では難しそうですね。



日ナレの管理外で事故やトラブルが起きても困るから、私の時代でもレッスン外の稽古はグレーな位置づけだったと思うよ。
昔の日ナレは、それこそ劇団のような空気感だったらしいけど、年々厳しくなってくね……
レッスン初期「台本を使った演技実習」


本科では、クラスメイトの自己紹介が一通り終わると、早々に台本を使った演技実習が始まりました。
使用する台本も、基礎科のように演技の基礎を学ぶために作られた簡単なものではありません。
古典や近代戯曲から、一場面を抜粋した台本を使いました。
題材が戯曲になったことで、演技の難易度が格段に上がったことを実感しました。
たった一言のセリフを発するにも、物語の舞台となる時代背景を理解し、日常では使わない言葉遣いを自然に使いこなす必要があります。
台本にも解釈の余地が大きく、同じ場面を読んでも、人によって捉え方はさまざまです。
何が正解なのかもわからないまま、闇の中を手探りで歩いていくような感覚でした。



最初はニコニコしていた講師も、演技実習がはじまると、すぐに癇癪を起こすようになりましたね。
最初の3カ月で、さっそく1人クラスから飛びました……笑



せっかく本格的なお芝居を学べる本科まで進級したのに、3カ月で辞めてしまったんですね……
レッスン中期「舞台公演①」


夏を迎える頃から、舞台公演に向けた準備が始まりました。
基礎科では1年間の集大成として行われた舞台公演も、本科では通常カリキュラムの一つという位置づけだったようです。
そして、ここから外れ講師の激ヤバエピソードが続きます笑
なんと、舞台公演で使用する台本は、講師のオリジナル脚本だったのです。
この脚本が、本当にひどかった……
「突如、学校に謎の敵が襲来する」という大筋こそあるものの、登場人物たちは終始、脈絡のない会話を続けます。
そして散々風呂敷を広げた末に、謎は何一つ明かされないまま物語は終了。
エヴァの最終話だけを切り取ったような作品でした笑
酔った勢いで書いたような台本を読み解くくらいなら、古典戯曲を読解する方がよっぽどマシです。
しかも、そんな台本でも、講師のイメージと違う演技をすれば容赦なく怒声が飛んできます。
そして指導の段階になって初めて、



このキャラクターには、実はこんな過去がある



この場面では、本当はこういう感情を抱いている
と、台本のどこからも読み取れないような、裏設定やキャラクター心理が、後出しで語られるのです。



いや、それはあんたの脚本の不備だろ……笑
正直、やってられませんでした。
この頃には、講師が激昂してレッスンを中断し、スタジオから出て行くことも増えていました。
その癇癪に耐えきれず、泣き出してしまうクラスメイトもいました。
もちろん、クラスから飛ぶ人もさらに増えていきます。
せっかく相手と掛け合いの稽古を重ねても、その相手が突然いなくなり、積み上げてきたものがすべて無駄になる……
そんな苦い経験もありました。



そんな中、ある日のレッスンで、1人の女の子の演技が講師のイメージにドンピシャでハマりました。
その日から、その子だけは講師に褒められる特別な存在になりました。



それはすごいですね!
というより、外れ講師の中にも明確な正解があったんですね……笑



あったみたいだね笑
その子とは今でも仲がいいんだけど、本人は「あれは完全にラッキーパンチだった」と言っていたよ。
でも、その子は今、別の事務所でプロの声優として活動しているんだ。



えっ、今はプロなんですか!
それなら単なるラッキーパンチではなく、講師の求めるものを感じ取って表現する才能があったのかもしれませんね。
レッスン後期「舞台公演②」


1回目の舞台公演が年末頃に終わると、年度末の最終レッスンに向けて、早々に次の舞台公演の準備が始まりました。
そして、今回も講師のオリジナル脚本です。
演目は、3つの短編からなるオムニバス形式。
- 杉の木の下で繰り広げられる3人芝居
- 葬式を舞台にした4〜5人の会話劇
あとひとつは……忘れました笑
私はセリフが多いという理由で、杉の木の下で繰り広げられる3人芝居の主役を希望しました。
相変わらず脈絡のない会話が続く駄作でしたが、前回の脚本と比べれば、一つひとつの物語が短いぶん、まだ話として成立していたように思います。
また、この頃には関連オーディションの1次審査が終わっていました。
そのため、「是が非でも講師から評価されなければ!」というプレッシャーからも解放され、リラックスして芝居を楽しむことができました。



講師からの評価も、1次審査の合否に関わる重要な要素だったんですね。



そうだね。
だから、1次審査が終わるまでは、どれだけ理不尽でも講師からの罵倒には逆らえなかった笑
2度目の所内オーディション


年末が近づく頃、とうとう私にとって2度目となる、日ナレ関連事務所の所内オーディションの案内が来ました。
基礎科の頃と同じく、年明けに行われる1次審査の案内と事前課題の用紙を渡されました。
ただ、私の心境は1年前とは大きく違います。
「次こそは絶対に所属してやる!」
前年の雪辱を果たすべく、気合十分で1次審査に臨みました。
1次審査


本科の1次審査は、基礎科のときに受けたものとまったく同じ形式でした。
- 自己PR
- 当日課題(早口言葉)
- 事前課題(セリフ)
この3つです。
基礎科のときと同じく、事前課題のセリフは正月休みも返上し、カラオケに籠ってひたすら練習していました。
その甲斐あって、この年の1次審査でも、しっかりと手ごたえを感じることができました。
余談ですが、この年は、関連オーディションについてネガティブな噂を広めているクラスメイトがいました。
「日ナレの関連オーディションでは、1次審査の合格枠のほとんどを講師や事務局からの推薦が占めている。だから、合格者のほとんどは審査前から決まっている」
という噂です。



正直、「だから何?」って感じの噂だけどね。
実際、日頃のレッスンへの姿勢も合否に関係するって、入所時から説明されてるわけだし……



仮にその噂が本当だとしても、目の前の審査に向けて自分がやることは変わりませんしね。
こういう噂に、いちいち振り回されないようにしたいものです。
1次審査の結果


この年も、1次審査の結果は合格者にだけ書面が郵送される形式でした。
前回の審査で合格通知を受け取っていた私は、通知が届く時期も、封筒の見た目も知っています。
「おそらく今日届くだろう」と見当をつけていた日は、仕事中もひたすらソワソワしていました。
その日は、私の家に転がり込んで一緒に暮らしていた当時の彼女へ、
「緑色の大きな封筒が来たらすぐ電話して!」と伝えていました笑
そして、その日の仕事中……
彼女から電話がかかってきました。
なんと、本当に「日ナレから、緑色の大きな封筒が届いた」とのこと。
つまり、1次審査合格です!
その知らせを聞いた私は、オフィスにも関わらず、飛び跳ねるように大喜びしたことを覚えています笑
こうして私は、この年も2次審査への切符を手にしたのでした。
2次審査


2次審査は前回同様、プロフィールとボイスサンプルを提出します。
加えて、この年は自己PR動画も必要でした。
ただし、この年からボイスサンプルの提出方法が変わります。
専用アプリをスマホへインストールし、アプリ内で録音から提出まで行う形式です。
前回のように、スタジオで録った音源をCDに焼いて提出することはできません。
しかし、前回スタジオで収録したことで悔いを残した私は、今回は自宅で納得できるまで録音するつもりだったので好都合でした。
アプリでボイスサンプル収録
スマホの周りを洗濯物で囲み、最低限のノイズ対策をし、ひたすら録音に明け暮れました。
前回の苦い経験もあり、ボイスサンプルの原稿は早々に完成しています。
あとは、渾身のボイスサンプルが録れるまで何度もやり直すだけです。
ところが、録れば録るほど迷走しました。
- どうしても鳴ってしまうリップノイズ
- わからなくなる演技の正解
- 見失っていく、自分の声のアピールポイント
原稿にも何度も修正が入り、気づけば当初とはまったく違う内容になっていました。
前回より準備してきた分、悔いはありません。
それでも、録音した自分の声をまじまじと聞いていると、圧倒的な実力不足を感じました。
結局、首を傾げながら、提出最終日にボイスサンプルをアプリから送信したことを覚えています。
自己PR動画
この年は、アプリから自己PR動画を提出する必要がありました。
家の中で1番盛れそうな場所を探し、ダイソーで買った壁紙を貼り、即席の撮影スペースを作りました。
しかし、見た目だけはバチバチに決めたものの、肝心の自己PRで何を話せばいいのかが分からない。
そのうえ、ボイスサンプルに四苦八苦していたので、渾身の自己PRを考える時間は全く足りませんでした。
結局、誠実で努力家なところをひたすら連呼するような内容の自己PR動画を撮った気がします笑
宣材写真の撮影
プロフィール用の宣材写真は、前回と同じスタジオへ撮りに行きました。
ボイスサンプルと自己PR動画はアプリから提出しますが、プロフィールだけは郵送です。
1枚のプロフィール用紙に写真を貼り、それを5つの関連事務所分コピーする形式でした。
ところが、コンビニでコピーすると、写真がどうしてもきれいに印刷されません。
なぜ……?
ここでも正解が分からず、最後はスタジオの人へ相談。
追加料金を払い、できる限りきれいな状態で印刷してもらいました。
今思えば、みんな同じ条件だったはずなので、完全に余計な出費でした笑
少しでも見栄えをよくしようと必死だったのは、それだけ自信がなかった証拠でしょう。
昨年よりは確実に成長した。
それでも、「これで受かる」と言い切れるほどの自信はありませんでした。
「頼む、受かってくれ。頼むぅ……!」
そう念じながら、完成した応募書類をポストへ投函……



結局、最後は祈るのみでした。



基礎科や本科は舞台演技が中心だったので、マイク前での演技を突然求められる2次審査は、かなり厳しい戦いですね。
2次審査の結果


2次審査の結果も前回と変わらず、合格者にだけ電話で通知されます。
昨年同様、いつなんどきもスマホを手放さず、着信を待つ生活が続きました。
事務局がとっくに閉まっているような時間になっても、「もしかしたら電話が掛かってくるのでは?」とスマホを見つめていました笑
私が2次審査の不合格を確信したのは、書類を提出してから2週間ほどが過ぎた、ある日のレッスンでした。
あるクラスメイトから2次審査突破の報告を受けたからです。
その子は、あの外れ講師に「ラッキーパンチ」を当て、その心をつかんだクラスメイトです。
当時、18歳の女子高校生でした。
彼女は決してずば抜けた演技力を持っていたわけではありませんでした。
それでも、クラスで唯一、あの講師を納得させる演技を見せています。
プロになれる可能性は、確かに秘めていました。
加えて、可愛い声と、思わず応援したくなる可憐な雰囲気があり、年上のクラスメイトにも物怖じしないコミュ力もあります。
「ああ、こういう子がアイムエンタープライズからデビューするんだな」
そう思わされる子でした。
一方、私はどうでしょう。
25歳の会社員。
クラスの中で大きな顔ができる程度の演技力。
あとは……何があるのでしょう……?
しかも、翌年には26歳になります。
世間的には、まだまだ若いと言ってもらえる年齢ですが、声優デビューを争うには高齢です。
若さで勝負できないなら、それを覆せるだけの武器が必要です。
その武器がないままでは、クラスでどれだけ存在感を出しても、2次審査を突破して事務所へ所属することはできない。
そう絶望しながら、私の日ナレ2年目は幕を閉じました。



この頃から「なぜもっと若い時から声優を目指さなかったのか……」と後悔し始めたかなー。



お疲れさまでしたぁ
2度も2次審査まで進めたのですから、それだけでも立派でしたよ。
おわりに|日ナレ2年目を終えて
日ナレの2年目を振り返りました。
本科では外れ講師を引いてしまい、基礎科時代がどれだけ恵まれた環境で演技を学べていたのか、そのありがたみを実感した1年間でした笑
くわえて、本科での1年間は舞台公演の準備が大半を占め、やることも多く、本当に大変な時期でしたね。
それでも、声優を目指した9年間の中では、いちばん希望を持ち、楽しく夢を追えていた時期だったと思います。
ここからは、夢と現実の狭間で葛藤しながら、それでも声優になりたいという思いを抱え、自分の武器を探す日々が続きます。



次回は、日ナレ研修科編です♪



1度は夢を諦め日ナレを休講し、人生を見つめ直した研修科での3年間を振り返ります。


声優養成所を選ぶ際、もっとも重要視するべきことがあります。
それは、直近で運営元の声優事務所が人気声優を輩出しているかです。
直近で人気声優を輩出できるということは、そのノウハウとチャンスを現在進行形で事務所が持っていると判断できるからです。
残念ながら、全ての声優事務所に平等に仕事は降ってきません。
とくに、アニメの出演オーディションは、製作委員会から限られた声優事務所にしかオファーを出しません。
せっかく苦労して声優事務所に所属できても、オーディションの話がこなければ本末転倒ですよね?
そのような観点から、日ナレは最良の選択肢であると私は考えます。
過去から現在に至るまで、日ナレから生まれる人気声優の数は業界の中でもトップクラスです。
現在所属している方は勿論、他事務所の人気声優も元は日ナレ出身ということもよくある話です。



声優養成所を選ぶ際のポイントは以下記事でも解説しています。
日ナレの実績のすごさがよくわかると思います!




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